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古代・中世班研究会レポート(令和元年度第2回)

研究代表者:荒木浩

開催日時:令和2年2月1日(土)13:3018:00、同2日(日)10:0012:30

開催場所:国際日本文化研究センター第5共同研究室

出席者:17名+オブザーバー3名

 

 

グエン・ヴー・クイン・ニュー(日文研外来研究員、ベトナム国家大学ホーチミン市人文社会科学大学)

「日本の教科書に見る俳句学」

日本の小中高で使われている国語教科書の中で俳句がどのように扱われ、また俳句を学ぶことで何を習得させることを目的にしているのかについて報告が行われた。教科書や学習指導要領などから句数や俳人を集計し、その上で古典に触れることや伝統、言語文化を考える機会となることを指摘した。また、現在行われている俳句を用いたアクティブ・ラーニングの実践例の紹介もあった。

 

李市埈(日文研外国人研究員、崇実大学校)

「「狐女房譚」の変容―古典文献資料から昔話へ―」

陰陽師安倍晴明の出自譚としても用いられている「狐女房」について、古典文献の事例とまた民話・昔話の事例を比較した。狐の詠む和歌や田植えの場面などの有無から検討を行った。

 

井黒佳穂子(国文学研究資料館)

「『稚児之草紙』の成立-本文の和歌引用をめぐって」

僧侶と稚児の男色を描いた作者未詳『稚児之草紙』について、各話の冒頭に書かれる文章から、モデルとなった人物の特定を試み、それを踏まえて作者を考えた。地名や寺院、性格などからモデルを考え、そうした情報を収集できる人物周辺から作者像を探る内容だった。