【成果物】『戦時下の大衆文化 統制・拡張・東アジア』が刊行されました!
大衆文化研究プロジェクトの集大成である「日文研大衆文化研究叢書」シリーズ最終巻『戦時下のの大衆文化 統制・拡張・東アジア』(編:劉建輝 石川肇)が株式会社KADOKAWAから、2022年2月18日(金)に発売いたしました。
大衆はなぜ戦争に駆り立てられたのか?
文学・歌謡・スポーツ・漫画……戦時下で巻き起こったブームと、国民が「動員」されたその背景に迫ります!
戦時下に空前の隆盛を見せた、日本の大衆文化。当時、日本が進出していた「外地」への国民の関心は高く、小説・歌謡などの題材にも多く「外地」の素材が採り入れられました。一方で日本の大衆文化を移植しようとする、文化の領域拡大の活動も見られます。大衆文化は、なぜ盛り上がりを見せ、人びとを駆り立てたのでしょうか。戦争・植民地支配の視点からも、あらためて「大衆文化とは何か」を捉え直します。巻末には、500作品を超える、戦時期の大陸関連書籍・レコードのリストも収録しました。
■収録内容(カッコ内は執筆者)
序 統制と拡張──戦時下日本文化の力学(劉建輝)
第一章 新たなる「大衆文学」の誕生―――戦争が打破した文学の秩序(石川肇)
第二章 兵隊歌謡――軍服を着た良民を歌う(細川周平)
第三章 日本映画界・永田雅一の十五年戦争(山口記弘)
第四章 上海における東宝の映画工作――「茶花女」をめぐる映画史の内幕(秦剛)
第五章 満蒙開拓青少年義勇軍とまんが表現の国策動員――田河水泡と阪本牙城の事例から(大塚英志)
第六章 「外地」における日本製洋菓子の広告戦略――子ども像を手がかりに(前川志織)
第七章 いわゆる「帝冠様式」と中国現代建築史――旧満洲、新京の官衙を手がかりに(井上章一)
第八章 戦時下の国民生活と体育・スポーツ(鈴木楓太)
第九章 戦争とツーリズム――戦前における日本旅行会の満洲旅行(高媛)
第十章 「外地」の大衆文化――雑誌『女性満洲』に見られるファッション(王志松)
終 章 植民地大衆文化研究とは何か――映画「上海の月」とメディアミックス(大塚英志)
■執筆者
劉建輝、石川肇、細川周平、山口記弘、秦剛、大塚英志、前川志織、井上章一、鈴木楓太、高媛、王志松
■書誌情報
書名:『戦時下の大衆文化 統制・拡張・東アジア』
編者:劉建輝、石川肇
定価:本体2,500円+税
発売日:2022年2月18日(電子書籍も同日発売)
ISBN:9784044005658
発行:株式会社KADOKAWA
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■「大衆文化研究叢書」シリーズ
第1巻『日本大衆文化史』(編著者:日文研大衆文化研究プロジェクト)2020年9月18日刊行
第2巻『禍いの大衆文化 天災・疫病・怪異』(編者:小松和彦)2021年7月28日刊行
第3巻『身体の大衆文化 描く・着る・歌う』(編者:安井眞奈美/エルナンデス・アルバロ)2021年11月12日刊行
第4巻『〈キャラクター〉の大衆文化 伝承・芸能・世界』 (編者:荒木浩、前川志織、木場貴俊) 2021年11月28 日刊行
リンク先
https://topics.nichibun.ac.jp/pc1/ja/sheet/2022/02/16/s003/
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000010104.000007006.html
https://www.kadokawa.co.jp/product/321910000166/