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【メディア論、メディア表現とファン文化】最先端メディア論講座シリーズ1・公開ワークショップ

【メディア論、メディア表現とファン文化】最先端メディア論講座シリーズ1・公開ワークショップ

メディア論、メディア表現とファン文化

国際日本文化研究センター・大衆文化研究プロジェクト・MANGAlabo 7

最先端メディア論講座シリーズ1・公開ワークショップ

日時:8月5日(月)14:30〜18:00予定
場所:国際日本文化研究センター(セミナー室1予定)http://www.nichibun.ac.jp/ja/information/access/
使用言語:日本語(英語での質問も可能)
一般公開(無料)申し込み不要

対象:アニメ・まんが・ゲーム・web等の研究に関心のある学部生・大学院生を含む研究者及び一般の方

総研大国際日本研究専攻の大学院生の皆さんは是非ご参加下さい

プログラム
14:30-15:20講義1「プラットフォーム資本主義とメディア表現」
・マーク・スタインバーグ(コンコルディア大学准教授)
15:20-15:30休憩
15:30-16:20 講義2「徒歩者とサブカルチャー: オタク文化を歩きながら研究するアドベンチャー」
・エドモン・エルネスト・ディ・アルバン(コンコルディア大学博士後期課程)
16:20-16:30休憩
16:30-17:20講義3「『2.5次元文化』の考察――2.5次元舞台とファンの嗜好の共同体を中心に」
・須川亜紀子(横浜国立大学 都市科学部/都市イノベーション研究院 教授17:20-17:50コメンテイター 松井 広志(愛知淑徳大学 創造表現学部 メディアプロデュース専攻 講師)
17:50-18:00 終わり

【お問い合わせ】
国際日本文化研究センター プロジェクト推進室
【TEL】075-335-2079
【E-mail】taishu_staff@nichibun.ac.jp

[*日文研へのアクセスに関して以下のアドレスをご確認ください。]

http://www.nichibun.ac.jp/ja/information/access/

ーー詳細ーー

現代日本の大衆文化の一種であるアニメやマンガが益々注目を集める中、同人誌やコスプレなどのように、このメディア文化を中心にして行われる活動にも注目が集まっている。アニメやマンガといったメディア表現とファン文化を考える際、「商品と消費者」という単純な構造を超え、メディアの性質とその発展、メディア表現の特徴や我々がどのようにメディアと付き合うのかを、考える必要がある。この公開ワークショップにおいては、最先端のメディア論を踏まえ、3名の講師から現代日本の大衆文化におけるメディア表現とメディア使用の接点について学ぶ。

講義1「プラットフォーム資本主義とメディア表現」

マーク・スタインバーグ(コンコルディア大学准教授)

プラットフォーム資本主義とは何か?プラットフォームはメディア表現にどういう影響があるのか?この問題を追求しながら、プラットフォームとメディアの深い関わりを検討する。

講義2「徒歩者とサブカルチャー: オタク文化を歩きながら研究するアドベンチャー」

エドモン・エルネスト・ディ・アルバン(コンコルディア大学博士後期課程)

オタクの聖地、2·5次元文化、などと呼ばれる現象が日本中の街の風景を彩っている今、自分の家からでるはずのない「オタク」が日常生活の空間を征服しつつある。しかし、サブカルチャーのテリトリーをベースにした研究は非常に少ない。

これからのサブカルチャー論、メディア論とファンスタディーズとの新たな文脈に欠かせない「メディア空間の生産」という概念を徒歩文化 pedestrian cultureとして考察し、オタクの街づくりの歴史とその研究方法に触れる。女性向けオタクメディアの消費者、同人サークル、コスプレーヤーや企業者とともに街を出歩き、Henry Lefebvre の「空間の生産」のメソッドを活用するコツも発表する。

講義3「『2.5次元文化』の考察――2.5次元舞台とファンの嗜好の共同体を中心に」

須川亜紀子(横浜国立大学 都市科学部/都市イノベーション研究院 教授)

アニメ、マンガ、ゲームの2次元の虚構を3次元の”虚構的身体”で具現化したコンテンツ=「2.5次元文化」を概観し、特に2.5次元舞台を事例に、ファンの消費と利用を嗜好の共同体とIntimate strangersをキーワードに考察する。

 

講師

マーク・スタインバーグ

カナダ・コンコルディア大学准教授。日本の映画・アニメーション、メデイア理論。The Platform Economy: How Japan Transformed the Consumer Internet, University of  Minnesota Press (2019)、 Media theory in Japan, editors; Marc Steinberg and Alexander Zahlten, Duke University Press, (2017)、『なぜ日本は〈メディアミックスする国〉なのか』(大塚英志監修/中川譲訳、KADOKAWA、2015年)、など。

エドモン・エルネスト・ディ・アルバン(略称エド)

カナダ・コンコルディア大学博士後期課程。カナダのコンコルディア大学とフランスのパリ第八大学の共同指導による博士学位を間もなく取得する予定。博士学位論文は日本の女性向けサブカルチャーにおける町の空間から、オタク文化と日常の風景の関係を再考する内容である。池袋の乙女ロード、女性の同人誌とそのメディアミックスの変容を巡りながら、腐女子と呼ばれる女性達の作った町の歴史と可能性を論じる。

現在、リサイクル文化としてのオタク文化というテーマを活かすプロジェクト women`s fan nationにおいて二次利用、中古販売を始め、サブカルチャーのエコの可能性を論じたいと考えている。

須川亜紀子

横浜国立大学 都市科学部/都市イノベーション研究院 教授。アニメ、マンガ、ゲームなどのポピュラー文化におけるジェンダー表象と女性オーディエンス/ファン研究が専門。。単著に『少女と魔法―ガールヒーローはいかに受容されたのか』(NTT出版、2013年)、共著にWomen’s Manga in Asia (Palgrave Macmillan, 2019)、共編著に『アニメーション文化55のキーワード』(ミネルヴァ書房、2019年)、など。

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