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概要

第3期中期目標・中期計画における基幹研究(平成28年度~平成33年度)である本プロジェクト(略称:大衆文化研究プロジェクト)は、日本文化全体を構造的・総合的に捉え直すため、大衆文化の通時的・国際的考察に取り組み、新しい日本像と文化観の創出に貢献することを目的とする。本プロジェクトでは、大衆文化を、近現代のマス・カルチャーに限定することなく、ポピュラー・カルチャー、マス・カルチャー、サブカルチャーなどを広く含むものとし、権威的文化(ハイ・カルチャーやカノン的文化など)の対概念として設定する。この意味における大衆文化を通時的・国際的に考察することで、日本文化の基層と多様性を包括的に捉えることを目指す。

1. 大衆文化の国際共同研究の実施

国際日本文化研究センター(以下、日文研)が蓄積する膨大な研究情報の資源と、これまでの共同研究の豊富な成果を活かし、物語伝承、絵巻、怪異・妖怪言説、春画・艶本、浪曲、映画、小説、外邦資料、画像文化、音楽、マンガ・アニメ、生活風俗などを中心的な対象として、大衆文化の国際共同研究を推進する。この国際共同研究の推進にあたり、研究総体をマネージ・推進するプロジェクト推進室を立ち上げ、古代・中世、近世、近代、現代の4班を編成する。さらに年次ごとに組織を見直し、チームの再編成を行いながら、最終的には一つの研究態として、大衆文化の学際的・通時的な国際共同研究を体系的に達成することを目指す。そのアウトプットとして、国内外の大学・研究機関や日文研において国際的なワークショップや研究会を毎年開催し、事業の中間と総括の時期に2回の国際シンポジウムを開催する。

2. 大衆文化関連資料の収集・デジタル化による画像・音響図書館の構築

大衆文化に関する資料を幅広く収集してデジタル化・データベース化を行い、併せて外書(外国語で書かれた日本に関する図書資料)目録のデータベース化を行う。さらに、これらをもとにメディアミックス型の画像・音響図書館を構築し広く発信する。

3. 大衆文化研究の成果発信と教育プログラムへの貢献

大衆文化研究の成果として、『国際日本大衆文化研究叢書』(仮称)全四巻(予定)を公刊し、収集資料やデジタル資源を公開展示する。また、通時的・国際的な大衆文化研究の教育パッケージの提供として、国内外の大学教養課程における大衆文化研究の入門書として使用可能な通史的な教科書『日本大衆文化史』(仮称)の制作に取り組む。

4 .大衆文化研究を中心とした国際的な研究ネットワークの再構築と先進的ハブの形成

日本の大衆文化への世界的関心とグローバルに展開する日本文化研究の状況を踏まえ、上記1から3の推進に伴う国内外の大学との連携や海外の日本研究者への研究支援を通じて、国際的な研究ネットワークを再構築し、大衆文化研究を中心とした日本研究に関する先進的ハブとしての国際拠点を形成する。