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Ⅳ. 現代

現代班の役割は、その歴史をどこまで遡れるか定かでない大衆文化研究に於いて、例えば古典が現代サブカルチャーに転用されていることで文化の連続性を主張したり、海外に於いても、まんが・アニメーションを対象とした瞬間に、突如、復興してしまうジャポニズム的思考や、それと呼応する、創られた言説としての伝統起源説などにプロジェクトが陥らないように阻止する点にあるのではないか。一方、1945年の敗戦を以て大衆文化史が「近代」と「現代」に切断され得るはずもなく、また「現代」という区分の中で暗黙の内に研究対象がまんが・アニメーションに限定されることも拒否したい。現代班として、一貫してあるのは「表現する大衆」たちの歴史的な実相と、その集団的な運動の中で表現する行為や制度がいかに形成されていったのかの検証である。また「日本」の「固有の歴史」ではなく、東アジアあるいは世界に於ける同時代性の中で大衆文化史を描き出すことも忘れたくない。

(代表・大塚英志 国際日本文化研究センター 教授)

現代班代表からのひとこと

「クールジャパン」の次は「ポピュラーカルチャー研究」と、サブカルチャーに便乗した人文科学の安易な延命にいいかげんうんざりしますが、それを利用してやっておけること、やるべきことはそれでもいくつかはあるでしょう。学術論文以外の成果をどこまで社会や教育に還元できるかが重要です。
大塚 英志(教授)

メンバー

北浦寛之(京都大学大学院研究員/京都文化博物館臨時職員)
前川志織(国際日本文化研究センター特任助教)
山本忠宏(国際日本文化研究センター客員准教授)
アルバロ・エルナンデス(国際日本文化研究センタープロジェクト研究員)