古代・中世班研究会レポート(令和元年度第1回)
研究代表者:荒木浩
開催日時:令和元年9月28日(土)13:00~18:15、同29日(日)9:45~13:00
開催場所:国際日本文化研究センター第1共同研究室
出席者:17名+オブザーバー13名
仲町六絵(小説家)
「キャラクター小説から古典への応答 ―小野篁と安倍晴明を主人公に―」
小野篁と安倍晴明を現代に登場させている自著を素材として、古典和歌に対してどのように返歌をするのか、自分がかつて創った和歌をキャラクターがどのように語るのか、現代人向けのキャラクターをどのように創造するのか、ストーリーに古典の文章が持つ力をどのように立ち上らせるのかについて報告が行われた。
中村明一(尺八奏者・作曲家、オフィス・サウンド・ポット)
「日本音楽の構造」
日本の音楽の構造と世界における位置について、世界各国の人の姿勢や呼吸法、音響、整数次倍音・非整数次倍音など、科学的な知見も盛り込みながら、尺八の実演を交えた報告が行われた。
松平莉奈(画家)
「古典を絵にする」
物語を描くこと、すなわち言葉と絵の関係をどのように表現するのかについて、一休から肖像画への関心、日本霊異記から物語と出会う場を創るいとなみ、往生要集から絵画で表現できることとできないことを、実際の創作活動から得た知見に基づく報告が行われた。報告後、日本画に関するワークショップが実施された。