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【レポート(近代班画像班分科会)】共催シンポジウム 第9 回国際シンポジウム「戦間期東アジアにおける大衆的図像の視覚文化論」(「大正イマジュリィ学会」第16 回全国大会の一部にて開催)

【レポート(近代班画像班分科会)】共催シンポジウム 第9 回国際シンポジウム「戦間期東アジアにおける大衆的図像の視覚文化論」(「大正イマジュリィ学会」第16 回全国大会の一部にて開催)

大衆文化研究プロジェクトの画像班分科会では、近代日本における大衆的図像資料についての研究活動の一環として、大正イマジュリィ学会との連携活動を開始しました。今回は、大正イマジュリィ学会・広告レトリック研究会主催により9回目を迎える国際シンポジウム「戦間期東アジアにおける大衆的図像の視覚文化論」(2019 年3 月23 日(土)、24 日(日))に第8回に引き続き共催として加わり、計2日間で72名の参加がありました。日文研からは前川志織が発表者の一人として参加しました。

このシンポジウム・シリーズでは、戦間期の東アジア文化圏において、同一の日本製ブランドが異なった表象の仕方によって広告されているという事実に注目し、日本企業がそれぞれの文化圏の大衆に、どのような手続きや言語的・視覚的手法により商品の消費するよう促したかについて、各国の研究者に参加いただき、その調査研究の発表と議論を行っています。

第9回では、海外からは、河鍾元(Ha Jong-won:鮮文大学校メディアコミュニケーション学科教授)による「韓国の近代新聞広告に現れたマンガ的表現:〈証言型〉広告を中心に」(韓国の新聞広告の事例)、徐有利(Seo Yu-ri:嶺南大学校美学美術史学科講師)「『東亜日報』と『新家庭』の化粧品広告と化粧談論 :「貴婦人」から「明朗な魅力」まで」 (韓国の新聞広告の事例)、張磊(Zhang Lei:同済大学上海国際設計創新学部准教授)「民国期日本企業の広告における女性像の異文化圏応用と再構築:東アジア煙草会社の月份牌(カレンダー・ポスター)を手かがりに」(中国のカレンダー・ポスターの事例)の発表が、日本からは5名の発表が行われ、東アジア圏における図像や表現技法の共有・引用・変容、近代的生活に関連する家族観・健康観・身体観などにおける共通点や相違点の検討など、共有すべき問題が明らかにになるとともに、さらに議論を深めていくための研究情報の共有化の方法、議論する際の言語の問題など、国際的な学術交流における課題を再確認する機会ともなりました。

(前川志織・国際日本文化研究センター特任助教)