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古代・中世班研究会レポート(平成30年度第6回)

古代・中世班研究会レポート(平成30年度第6回)

研究代表者:荒木浩

開催日時:平成31216日(土)13:3018:00、同17日(日)9:3013:00

開催場所:国際日本文化研究センター第5共同研究室

出席者:24名+オブザーバー若干名

 

 

箕浦尚美(同朋大学)

「お伽草子と古典の投企」

お伽草子の一寸法師と浦島太郎を事例にして、現代社会に古典を投企する意義について検討を行った。特に、因果や生命観など、当時の日本が現代とは異なる価値観・倫理観を持っていたことを古典を通して伝える必要性と、さらに次代へどのように引き継がせるべきかという問題を強調した。

 

齋藤真麻理(国文学研究資料館)

「狩野派の戯画―その生成と展開―」

「戯画図巻」と称される狩野派の絵巻群に描かれた題材や構図に込められた作者の意図について、諸本の比較、他の絵画作品や中国典籍などの資料を博捜することで明らかにした。

 

前川志織(日文研)

「岸田劉生「麗子像」シリーズにみる古典性の投企:近代日本美術をめぐるメディアと「複製」をてがかりに」

岸田劉生の絵画「麗子像」シリーズをめぐる近代メディアの動向と劉生自身のメディアとの関わり方について、『白樺』などの雑誌類への掲載や販売を目的にした展覧会の開催、そして麗子像の複製を中心とした報告を行った。

 

三戸信惠(山種美術館)

「風景を捉える川合玉堂の「眼差し」―大衆性と同時代性と―」

川合玉堂の描く風景画の変遷から、彼の風景に対する眼差しの変化を、風景論や写真など近代の大衆文化への接近・吸収の視点から考察を行った。