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近世班研究会レポート(平成30年度第3回)

研究代表者 小松 和彦
開催期間 平成31年3月9日(土)
開催場所 国際日本文化研究センター  第6共同研究室
内容

成果

近世班の第3回研究会として、最初にリーダーの小松和彦から出席者に向けて、大衆文化プロジェクトにおける本研究会の位置付けの確認、来年度の方向性に関する説明が行われた。その後、2名の報告者による報告を得た。

ケラー・キンブロー(日文研外国人研究員)「大坂書肆「渋川清右衛門」の女訓書と『二十四孝』」は、御伽文庫の刊行で知られる渋川清右衛門が刊行した女性向け教訓書に、中国の二十四孝に関する説話を収録する意図をさまざまな文献を博捜しながら検証したもの。

佐伯孝弘(清泉女子大学学長)「近世怪異譚の多様性」は、17世紀の怪談集『奇異雑談集』巻1の3に収録されたのっぺらぼうに関する話を素材に、それをどのように読むべきか、テキスト解釈の多角的な方法を提示した。また、『奇異雑談集』以降ののっぺらぼうに関する怪異を取り上げ、『奇異雑談集』との比較を行った。

その後の討論では、版元と読者の問題、学問別のテキスト解釈の差異など、活発な議論が行われた。