古代・中世班H30年度共同研究会レポート③
研究代表者:荒木浩
開催日時:平成30年9月22日(土)13:30~18:00、同23日(日)9:30~13:00
開催場所:国際日本文化研究センター第5共同研究室
出席者:17名+オブザーバー若干名
ガリア・ペトコヴァ(日本学術振興会外国人特別研究員)
「「投企」する古典性——男性中心日本伝統芸能の「女性」バージョンを巡って」
日本の芸能文化における「女もの」が、男性中心の芸能の中に、女性がどのような過程を経て入っていくことで形成されていったのかを、「女鳴神」などの狂言を取り上げながら通史的に分析した。
ヴィーブケ・デーネーケ(ボストン大学)× 河野貴美子(早稲田大学)
「「日本文学史」の今後100年―『日本「文」学史』から見通す」
「文学」ではなく、「文」の概念から「日本文学史」を考える試みである『日本「文」学史』の編纂作業を通して浮かび上がってきた、発信と受信、声と文、メディア、そして「文」という表現そのものへの問いなどについて、実例を示しながら、文学研究も含めた問題提起を行った。
深谷大(早稲田大学演劇博物館招聘研究員)
「説教源氏節をめぐって―歴史と変遷―」
寛政から明治にかけて尾張国を中心に興行が行われた説教源氏節について、草創期から終焉までの流れを概観し、その上で音曲としての性格、一座の構成、伝播などを史料に基づき分析した。
中野貴文(東京女子大学)
「古典との出会い方」
中高生の古典学習について、教え方が岐路に立たされている現状を踏まえ、これからどのような実践を行っていくべきなのかを、先行事例を複数あげながら、教育そのものへの問題提起を行った。また教育者である学校教師と研究者の関係性についても、議論が行われた。