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近世班 H30年度共同研究会①レポート

研究代表者 小松 和彦
開催期間 平成30年7月14日(土)
開催場所 国際日本文化研究センター  第6共同研究室
内容

成果

近世班の第1回研究会として、最初にリーダーの小松和彦から出席者に向けて、大衆文化プロジェクトにおける本研究会の位置付けの確認、今年度の方向性に関する説明が行われた。その後、2名の報告者による報告を得た。

ローレンス・マルソー(日文研外国人研究員)「仮名草子『伊曽保物語』における大衆性について」は、近年再発見された巻子本『伊曽保物語』をめぐって、内容の解説とともに『伊曽保物語』の他のバージョンとの違いなど様々な論点を提示した。また、話材になっているものの出典など、国際的な視野からの指摘もあった。

川添裕(横浜国立大学大学院イノベーション研究院教授)「江戸の庶民と見世物」は、江戸の見世物に関する概説と、見世物が大衆メディアや他の大衆文化を巻き込みながら起こした「都市的流行現象」あるいは「大衆流行現象」について、多くの図版を事例に取り上げた報告であった。

その後の総合討論では、『伊曽保物語』の原典にあたるイソップ童話など、日本でどれだけ理解されていたのか、また、見世物と見世物を描いた絵が他のメディアとの関連など活発な議論が行われた。