2017.9.13 ヴェネツィア大学/日文研連携「江戸の妖怪文化ー信仰と娯楽のはざまで」レポート
研究代表者: 小松和彦
開催期間:
平成29年9月13日 ヴェネチア大学連携企画江戸の妖怪文化―信仰と娯楽のはざまで―ワークショップ
平成29年9月14日~16日「イタリア日本研究学会」
開催場所: ヴェネチア大学
内容成果 :
9月13日、ヴェネチア大学図書館にて、学術交流協定に基づき、日文研の大衆文化研究プロジェクトの一環として「江戸の妖怪文化―信仰と娯楽のはざまで」を開催した。会場はほぼ満席で、イタリアにおける日本の大衆文化への関心の高さが窺われた。小松和彦所長とボナヴェントゥーラ・ルペルティ・ヴェネチア大学教授が挨拶し、小松所長の趣旨説明の後、小松所長の司会のもとで、安井眞奈美教授をはじめとして6人の発表が続いた(稲賀副所長もオブザーバーとして参加)。フロアからは積極的に質問が出され、最後に小松所長が、日本の大衆文化の体系的研究はまだ始まったばかりで、外国人研究者のための教科書もない状況だが、だからこそ情報を共有しながら各自が興味あるテーマで研究を進めていけるという、大衆文化研究の可能性を示した。
14日からはイタリア日本研究学会の総会(16日まで)が始まり、ヴェネチア大学第一講堂という最も歴史のある豪華な会場で、小松所長と勝方=稲福恵子早稲田大学教授の基調講演が行われた。小松所長は、国芳の浮世絵などを多数紹介して講演を行い、フロアの聴衆を魅了した。その後2会場に分かれて演劇や絵画、文学など多様なテーマによる発表がイタリア語で行われた。9月15日の学会の懇親会にも参加し、イタリア日本研究学会会員(会員数約400人、総会参加者約80人)との交流および有意義な情報交換を行った。
なお、14日の基調講演には、在イタリア日本国大使館特命全権大使・片上慶一氏や国際交流基金・ローマ日本文化会館の関係者も出席し、その後、大使主催の、講演者及び学会役員を招いての昼食懇談会が持たれた。
(安井眞奈美)