現代班研究会①レポート
研究代表者 | 大塚 英志 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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開催期間 | 平成28年12月9日(金)~平成28年12月10日(土) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
開催場所 | 国際日本文化研究センター 第2共同研究室 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
内容成果 | 発表概要と成果は以下の通りである。初日はラープと呼ばれるロールプレイングゲーム(RPG)を用いて、「他者の経験」を学ぶワークショップの研究とワークショップの構築を行うビョーン氏の発表を中心に行った。日本には定義していないラープという実演型RPGの存在とそれが研究対象となり、更に教育への応用がなされていうという紹介と同氏の実践報告がなされた。
「引きこもり」の体験を第3者に共有させて、「他者を理解」する契機とする実践は、「引きこもり」へのレイシズム的色彩の強いアカデミアの「引きこもり研究」に対する根源的な批判であった。 大塚はオブザーバー参加した高校の教員である櫻木千恵の協力で約2000例の実践を行ってきた「自分の姿を書き込む絵本」ワークショップに於ける、テロ後のパリのイスラム系の子供を対象とした実践の報告をした。 研究に留まらず、教材の開発と実践による社会還元という現代班の基本方針の一つを確認した。 10日はミュシャ財団キュレーター佐古氏によるあるフォンス・ミュシャの全体像と少女まんが及び北米サイケデリックアートにもたらした影響についてレクチャーを受けた。ミュシャはファインアートや美術研究からは軽んじられてきたが,ミュシャ登場に於ける社会運動的な背景や、写真史、映画史、科学、オカルティズムといった多様な文脈の中でその表現を解き明かすことで「脱領域的」から「国際的」な大衆文化研究にミュシャがいかにふさわしいか、強烈な印象を残した。文化の領域、分野を超えた多様で相互的な影響関係を考える上で一つのモデルケースとなり得るだろう。 大塚からは明治期のミュシャ及びアール・ヌーボーの影響を受けて描かれた文芸誌の表紙、約200点の現物の資料の紹介がなされ、一次資料の共有体制について提案があった。 「ゲーム」と「ミュシャ」という脈絡もなく「新しさ」も一見感じないテーマを敢えて選択し、新しい視点や研究の広がりを若い世代が中心である参加者に示すことに成功した。若手クリエイター、高校教員、海外からのオブザーバー参加もあった。 |
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出席者 |
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