【報告】上海大学学術シンポジウムにて講演
上海大学学術シンポジウムにて講演
6月10日(日)、日文研の安井眞奈美が上海大学学術シンポジウム「端午の節句と神話」にて講演しました。この時期に行われる中国の端午の節句に因んだものです。この学術シンポジウムでの講演は、今年3月23日に北京東嶽廟(東岳廟)にて開催された第1回中日妖怪学術研究シンポジウム(中日妖怪学研究専題研討会)の際に、登壇者の一人であった安井に声がかかり、実現しました。
プログラムは以下の通りです。
端午の節句と神話――学術シンポジウム
2019年6月9日 14:00―17:00
上海大学宝山キャンパス 文学院306会議室
講演者とテーマ 司会:黄景春
葉涛 神話の文学的な解読と民俗的な解釈――聞一多『神話と詩』の再読
鄭土有 聞一多の『端午考』の再研究
劉暁峰 日本の神話における端午帝子の解読
安井眞奈美 日本における出産と怪異
楊秀 人の神格化――嘉興市における伍子胥伝説を例として
それぞれの講演は、これまでの端午の節句の研究を再検討し、あわせて研究の方法論も深めていこうとする興味深いものでした。安井は、これまで取り組んできた出産に関する妖怪・ウブメ(姑獲鳥・産女)について、ウブメが誕生した背景にある出産と埋葬の習俗に触れながら発表しました。講演は日本語で行い、総合研究大学院大学(日文研)院生の宋丹丹さんが中国語に通訳しました。フロアからは、日本の出産習俗や信仰についての質問がなされ、また中国の産死者の事例が紹介されるなど、活発な意見交換がなされました。
このシンポジウムの直前には、上海に近い嘉興市で中国民俗学会が開催され、登壇者の一部は両者に参加し、交流を深めました。嘉興市はちまきが特産品として有名で、毎年、端午の節句にあわせて中国民俗学会をはじめ、さまざまなイベントが催されています。